ポピュラー・ジャズ音楽理論講座
コード・・・コードとしつこいのは嫌われるかもしれませんが、再び「コード」についてです。 なにがしらのコード・ネームがあるとコード・トーンが決定します。たとえば、「CM7」(シー・メジャー・セブン) ならコード・トーンは、「C E G B」となります。このコード・トーンは、以前にスタートレックを 引き合いに出してお話したようにの「団子の串刺し」でなくても、いいのです。オクターブを超えて拡がって いても永遠に「CM7」なのです。ただ、「ルート音」(CM7の場合は、C音)の位置は、コード・ネームを決定する上で 大きな影響力を持っています。位置というのは、そのコードのコード・トーンの積み方によって出来る順番といって もいいかもしれませんが、一番上から、「ファースト・ボイス」「セカンド・ボイス」「サード・ボイス」、 一番下を「ボトム(Bottom)」と言ったりします。「転回形」という言葉をご存知かと思いますが、大いに関係があります。
バンド、例えば「サックス、ギター、ベース、ドラム」という編成の場合で、このコード-CM7-を演奏する場合の ことを考えてみると、もし、バンドのサウンドの一番下の音、ベース・プレイヤーが演奏する音のことですが 通常は-C-音を演奏します。だいぶと低くいところにあるベースの-C-音の上に-CM7-のコード・トーン(テンションでも) が乗っかれば、-CM7-なんですが、もし、ルートを弾くべきベースの方が-CM7-を演奏するつもりで、間違って -Db-音を演奏してしまったらどうなるでしょうか。-CM7-には、とうてい聞こえないと思います。このようにベースの方が ルートを半音ずらしてしまうと、まるで違う世界に引っ張り込まれてしまう感じがします。ベースの上にのっかっている音 が「チョットズレタ」のとはわけが違うといえるほどに、「別世界」となってしまいます。
ベースの方が-CM7-を演奏するにあたって、コード・トーンとまったく関係のない音を弾くと、「100光年さきの別世界」、では 、コード・トーンなんだけどルートでない音を弾いた場合はどんな感じになるんでしょうか。-CM7-でベースの方が-G-(五度)を演奏した場合 。この場合も全体としてのコードは、-CM7-に聞こえてくるのでしょうか。むむ・・。多分、キーが-CMajor-だと仮定して、トニック・サウンド(CM7) としてよりは、ドミナント・サウンドによった聞こえ方をするのでは、などど、考えてみることもできます。キーが存在するような音楽、わたしたちが 普通に生活していて聞こえてくるような音楽には、バンドの「底」にある音の重要性を考えてみることも必要なのかもしれません。コード・ネームが すべての和声的な理屈を支配しているとは限らないかもしれません。
コード・ネームについては、『-「底」にルートがある場合は、-理屈としての支配力を持っている。』といえるかもしれません。
で、またまた、横道にそれたままになってしまいました。すみません。