ポピュラー・ジャズ音楽理論講座
いろいろある音程のを大きく二つの集合、つまり「不協和音程」「協和音程」に分ける事ができますが、ここでは、その不協和音程の方にお話の比重を移してゆきます。 それでは最も「不協和」な音程は何でしょうか ? 多分、半音で重なった音程がそうだろうと想像がつきます。この音程を「短二度」、「マイナー・セカンド」、 「minor second」、「minor 2nd」などといいます。たとえば、ピアノで「ド」と「ド#」を同時に弾いたらきっと緊張度の高い響きが生まれると想像できるでしょう。 この音程を隠し味としての「苦味」あるいわ「渋味」などと考えれば、理解しやすいかもしれません。この音程を「隠し味-1-」と名づける ことにします。 また、以前お話したのですが音程には「単音程」「複音程」というわけ方もありますが、これはオクターブ内の二音間の音程、オクターブを越えた二音間の音程という 内容の集合です。例えば「ドとド#」は、「増二度」といい、「ドとそのオクターブ上のド#」を「増八度」と言います。後者を単音程にすると「増二度」という呼び方になります。 つきましては、ここでのすべて音程は、例外を除いて単音程のつもりで考えていてください。
さて、メジャー・セブンスを「隠し味-2-」と命名しましょう。と言いますと「七度もはなれているのに・・・、不協和なんでしょうか ?」とお考えになるかも しれません。すこし大げさではありますがこのあたりが「スタートレック的なもの」(自分勝手に思っているだけなのですが・・)の一つです。長七度といいますと 「ド」とその音階を上方向に上がっていって「シ」との間に生じる音程ですが、「ド」からその音階を下に向かって行けば、すぐ隣にあります。だからというわけではないのですが、 「ド」はどこまでいっても「ド」で同じく「シ」はどこまでいっても「シ」なのです。「ド」「シ」という呼び方は「階名」(カイメイ)というんですが、「キー」が 決まっていて、たとえば「C Major」だとすると上記の音を音名で呼ぶことにすると「C音」と「B音」ということになります。日本語に置き換えると「ハ音」と「ロ音」とい うことになります。半音の音程を作るということにおいては、長七度と短二度は同じ性格をもっていると言ってもいいような気がします。この音程を「隠し味-2-」と名づける ことにします。ただし、この二音の響き方は、例えば、「コーヒー」といってもモカ、キリマンジャロ、ブルマンなどがあり、また、メーカーによってもそれぞれ味が違うように 「響き方」が違います。
むむ・・「9度となるとさきほど言っていた複音程になるのではないのですか?」、そうなんです。確かに複音程です。このあたりについて、次のように考えるとどうでしょうか。 二つの音が半音でブツカル状況は、「ド」を中心にして下に「シ」で半音、上に「シ」で長七度、「シ」を中心にして上に「ド」で半音、上にオクターブ上で「半音」この場合 は、マイナー・ナインス。つまり、本来短音程にして半音でブツカル二音で作る事のできる半音程は、「m2(マイナー・セカンド)」「M7(メジャー・セブンス)」 「m9(マイナー・ナインス)」ということになります。「ドとシ」の配置の仕方によって、違った響き方の「隠し味」を作ることができると言うことです。さて、この三つの積み方が どのような違いを作ってくれるのか是非、あなた自身の身体で体験してほしいと思います。さて、この音程を「隠し味-3-」と名づける ことにします。