●サックスの高音域が出しにくい。
サックスは一般的に音程が上がるにつれて、リードと下唇の当たっている部分が少なくなってきます。 高音域は、中低音域よりリードと下唇の当たっている部分がより少なくなります。まず、下唇とリードの あたり具合をチェックしてみて下さい。また、音域によって息のスピードも変化します。同じ-mf-で低音域 から高音域まで連続して演奏しようとすると息のスピードは高音域になるほど速くなります。
音域によってアンブシャーは微妙に変化していますが、リードと下唇のあたり具合が変化していると言った ほうがいいかもしれません。なぜなら、下顎、(どちらかと言うと下唇)と喉のコントロールが主で、口全体が変化しているわけではないからです。 各音域の喉の状態や変化の様子は、倍音列の練習によって習得する事ができます。高音域を出すのに都合の良い「喉」で 低音域を十分にコントロールするのは難しいですし、またその逆もしかりです。各音域に対応した最適な「喉」の状態 を知っておく必要があります。「倍音練習の薦め」を参照してください。
大きく「下顎」、「喉」、「息」の三つの要素がそれぞれの音に対して三次元的に連動して最適な状態を作り出しています。 練習するにあたっては、これら三つの要素を同時に練習するのは難しいので、一づつ別々に練習して後に統合するのが良いのでは ないかと思います。
一般的に高音域の音が極端に細くなったり、オクターブ下の音が鳴ってしまったり、まったく息が入らなくなったりする 場合があります。音が極端に細くなったり息がまったく入らなくなってしまうのは、アンブシャーのプレス、つまり下顎 のプレッシャーが強すぎるのだと思います。マウスピースをストローを吹くように口全体で包み込む感じで演奏することを お勧めします。ストローを吹くようにとは、ストローを潰してしまうと息がはいりませんから、ストローを潰さないように 小さな穴を保持しなければなりません。この小さな穴を保持する感じを「ストローを吹くように」と言い換えていま す。 オクターブ下の音が鳴ってしまう場合は、単純にオクターブ・キーを押すタイミングが遅い場合もありますが、そうでな い場合は、喉が上手く連動していないのかもしれません。オーバー・トーンの練習が役に立つと思います。
- □リードと下唇のあたり具合をチェックする。
- □息のスピードをコントロールする。
- □倍音の練習をして「喉」をコントロールする感覚をつかむ。
- □下顎が必要以上に緊張していないかチェックする。