60才からのサックス

Jazz saxophone 吹きの散歩道

●アラウンド-60才-からのサックス

●楽器

○サックス(Sax)の種類○

ソプラノ・サックス
縦笛みたいな感じでサックスを構えることができるストレート管、それとカーブドソプラノというアルト・サックスやテナー・サックス と同じ形のもの、二種類あります。Bb管の楽器です。一般に使用されるサックスの中では、もっとも高い音域(ソプラノ)を持っています。「Bb管の楽器」というのは、 その楽器の「ド」が、ピアノの「Bb音」だということですが、あまり気にしなくても大丈夫だと思います。ここに説明されている楽器の中ではもっとも、軽量で小さいです。 ケニー・Gさんのメイン楽器で、古いところでは、シドニー・ベッシェさん、そしてジョン・コルトレーンさんなど、現在ではウエイン・ショーターさんなどが演奏されています。 小さくて軽量なので、携行に便利です。
アルト・サックス
従来の伝統的なサックスの形をしている楽器です。大きさも重量もテナー・サックスよりもより小さく、より軽いです。「Eb管の楽器」です。もっとも よく知られているサキソホォンではないでしょうか。だいたい女性の声の音域(アルト)をもっているといってよいでしょうか。 チャーリー・パーカーさん、アール・ボステッイクさん、現在では渡辺貞夫さん、デイビッド・サンボーンさんなどが演奏している楽器です。比較的持ち運びに便利。
テナー・サックス
外観はアルト・サックスとほとんど同じですが、ネックの形が違います。アルト・サックスに比べるとちょっと大ぶりで音も低くなります。男性の声の音域(テナー)に 近いです。ソニー・ロリンズさん、ジェイムス・カーターさん、今は亡きジョン・コルトレーンさんやマイケル・プレッカーさん、など、多くの素晴らしいプレイヤーがいます。「Bb管の楽器」 で、ソプラノ・サックスの一オクターブ下になります。私のメイン楽器でもあります。持ち運びにやや不便。
バリトン・サックス
一般に使用されているサキソホォンの中では、もっとも大きい楽器です。大きい分それだけ音域も低くなり、「Eb管の楽器」でアルト・サックスの一オクターブ下になります。 今は亡き、ペッパー・アダムスさん、ハリー・カーネーさん、サヒブ・シハブさん、ジェリー・マリガンさんなどの演奏が数多く残っています。 大きく、やや重いので持ち運びに不便。
上記の楽器のなかでもっとも重いものは、「バリトン・サックス」です。一般にサックスは首から肩のあたりで楽器をぶら下げるので、あまり重いものは 「-Around 55-」の方には負担が大きいかもしれません。日常生活で首や肩がこるなどの症状がでやすい方は、要注意。「特にバリトン・サックスが好き」 というわけではない方は、さけた方が無難かも。首や肩への影響がより少ないのは、ソプラノ・サックスということになりますでしょうか。そして、アルト・サックス、 テナー・サックスの順になります。演奏(練習)するときの姿勢によっても肩や首への負担の度合いは変わってくると思いますので、椅子に座って練習するにしても、立った体勢 でするにしても、「いかにバランスよく楽器を構えるか」を考えながら取り組みましょう。・・・とはいっても実際にはある程度サックスを吹きなれてこないと、「いかにバランスよく楽器を構えるか」 なんて、チンプンカンプンかもしれません。

○あなたにピッタリは、このサックス○

とにかくサックスを吹きたい方
「アルト・サックス」をお勧めします。小ぶりで、持ち運びに便利です。普通、サックスの音量は「だいぶに大きい」という部類に入ってきます。自宅で練習できる方は そんなに多くないので、例えば「練習スタジオ」や「カラオケ・ボックス」に持参して練習するなど、持ち運びに便利なことも「練習を持続する」上で見過ごせない要因 の一つになります。アルト・サックスはサックス本来の形をしていますし、普通、価格もテナー・サックス、ソプラノ・サックス、バリトン・サックスよりも安いです。
サックスでジャズを吹きたい方
「テナー・サックス」か「アルト・サックス」をお勧めします。テナー・サックスは、アルト・サックスよりも大振りでより重いです。テナー・サックスは、アルト・サックス よりも低い音が出せます。一般的に男性の声の音域は、テナー・サックス、女性の声の音域は、アルト・サックスに近いといわれています。ただし、男性でも声の高いひともいるし、 女性でも低い人がいますので、あくまでも「一般的」に分かりやすく説明する上でのたとえ話です。「ソニー・ロリンズ」「ジョン・コルトレーン」「マイケル・ブレッカー」など 「レスター・ヤング」「コールマン・ホーキンズ」などの名テナー・サキソフォン・プレイヤーは、-ジャズ-を代表するプレイヤーと言えるかもしれません。ジャズ音楽のメイン楽器の一つです。
サックスでポップスを吹きたい方
「ソプラノ・サックス」か「アルト・サックス」をお勧めします。ケニー・Gさんのメインインストルメンツは、ソプラノ・サックスです。本田雅人さんは、アルト・サックス です。デイビッド・サンボーンさんは、R&BからJazzまで幅広く演奏されています。携行に便利です。ソプラノ・サックスの価格は、「アルト・サックス」「テナー・サックス」にくらべると少し高めです。ジャズ系のアンサンブルなどに参加するとなると 「ソプラノ・サックス」のみで参加するとなると難しいかもしれません。ジャズ系のアンサンブル、たとえば「Big Band」などのサックス・セクションは、2アルト・サックス、2テナー・サックス 、1バリトン・サックスの構成が普通だからです。「ソプラノ・サックス」は、持ち替え楽器として「テナー・サックス・プレイヤー」や「アルト・サックス・プレイヤー」が演奏 します。 「Big Band」などの形態のアンサンブルに参加することを目指すなら、「アルト・サックス」の方が有利です。
サックスで歌謡曲を吹きたい方
「テナー・サックス」をお勧めします。演歌や歌謡曲のイントロや間奏でサックスが使われていること、結構たくさんあります。私と同年代かそれ以上の方 であれば、「夜霧よ今夜もありがとう」などの昔のヒット曲で使われていたのを憶えておられるかもしれません。一般的に「テナー・サックス」が使われることが 多いと思います。テナー・サックスのサブ・トーンを生かした演奏が印象的です。
演奏したいサックスの種類が決まっている方
吹きたい楽器が決まっている方は、迷わず選択できますね。

○あなたにピッタリは、この楽器メーカー○

有名国産メーカー
古くからの国産のメーカーのサックスは、価格の安いものでも何不自由なく演奏することができます。グレードが高くなるほど音楽表現の上で細かいニュアンス をコントロールしやすくなると言われています。本体の材質もいろいろな合金が考案されていて、ブロンズや銀、プラチナなどの合金、本体の表面の塗装も、ラッカー、 ニッケル、金、銀、プラチナなどいろいろです。長くサックスを楽しみ続けるなら最初からグレードの高いものを購入されたほうが良いかもしれません。 でも、ある程度吹けるようになるまでは、廉価版で満足しておいて、サックスのことがいろいろ分かるようになってから、ご自分が欲しいものを購入さ れるのも良い考えかもしれません。ある程度吹けるようになると楽器をたのしむ要素がたくさん増えてきて購入するにあたっての楽しみ方も-楽しめる- と思います。サックスを作っているメーカーも、たくさんあってカタログがたまってくるかもしれません。
外国製のサックス
アジアで生産されたサックスの中にも価格の幅があります。概して極端に安いものは上手くなりたい方にはお勧めしにくいです。手ごろな価格のものは、いいものが 多くそろっています。国産に優るとも劣らないということができると思います。もともとは、外国有名メーカーの下請け会社だったのですが独立して、サックス製造の ノウハウを引き継いだというような会社が多々あります。
非常に安いサックス
価格が2万円代からのサックスもありますが、パット見の見た目の楽器の作りが十分でないものや、高音域の音程が不安定なものなどがあります。サックスを長く 楽しむうちに楽器の力不足を感じさせられることが多くなってくるかもしれません。長くお続けになるなら、お勧めできませんが「試しにどんなものかトライしてみる」 感じならお勧めです。
非常に高いサックス
ブランドもののビンテイジのサックスは、100万円を超えるものも珍しくありません。多くは中古品ですがよく整備されたものがほとんどです。新品でもゴールド・プレートという サックスは、銀で塗装してその上に金でプレートしてありますが、やはり、100万円以上はするでしょうか。シルバー・ボディのサックスもあります。本体自体が銀の合金 でできています。楽器としてもよい作りのものがそろっています。高価な楽器だから上達する速度が速くなるといったものでもありませんが、許される範囲でより良いものを 購入されるのがよいと思います。

○軽いサックスと重いサックス○

より軽いもの
一般的に、演奏したときに、より楽に鳴らすことができます。-around60-で、しかも初心者の方にはお勧めできます。 重量は、同じ種類のサックスであっても、管体を作っている金属の比重や厚さによって変わってきます。
より重いもの
概して、より体力を消費します。-around60-で、しかも初心者の方にはお勧めできないかも。サックスプレイヤーは、首にストラップ掛けて、それでもって 楽器を支えています。肩から掛けて楽器を支えるタイプのものもあります。初心者の方はより軽いのがいいと思います。

○マウスピース○

ハードラバーのマウスピース
初めてサックスを吹く方にはお勧めのマウスピースは、ハードラバーと呼ばれるタイプのものです。だいたい黒色で、プラスチックでできているように 見えます。ものにもよりますが比較的安価で手に入ります。定番のマウスピースというのがあって、アルトサックスなら、「・・・・・・」、 「テナーサックス」なら、「・・・・・・」などといわれていますが、初心者の方には「ハードラバーの初心者向き」のものをお勧めします。 是非、まずは簡単に鳴らせるマウスピースをお選びください。サックスを普通に演奏するには、いろいろな部分に気を配らなければなりませんので、 「吹けば、とりあえず鳴ってしまう。」ぐらいのほうが、上手になりやすいと思います。
メタルのマウスピース
マウスピースが金属の合金でてきているものを「メタルのマウスピース」と呼んでいます。ハードラバーのマウスピースよりも少しコントロール が難しいとされています。長くサックス・レッスンをしてきていますが、経験上、「初心者の方、基本を学びたい方はハードラバーがベター」 と確信しています。上手くなれば、メタルであれハードラバーであれ、何でも来いですがら。

○リードのタイプ○

アメリカン・カット
アメリカン・カットとフレンチ・カットの違いは、見た目とリードの鳴らし方に現われます。クラシックを演奏される方はフレンチ・カットのリード 、ポピュラー関係の方はアメリカン・カットを使っておられることが概して多いようです。鳴らしやすさという点では、アメリカン・カット のほうが容易なような気がしますが、個人差があって何ともいえません。マウスピースの形状や演奏される方の口の形や歯並びなど色々な要素が関係 していますから、「こっちの方がいい」とは一概には言えません。
フレンチ・カット
「腰の位置が高い」というような表現をしていますが、わたしはこのタイプのものを使っています。リードを上手く振動させるたるには、 アメリカンカットを鳴らす場合に比べ、プラスアルファの余力が必要なような気がします。初心者で-around 60-の方には、より楽に鳴らせる アメリカンカットのリードをお勧めします。
ファイバーのリード
リードは葦の茎から作られていますが、天然素材でない人工のファイバーのリードも販売されています。普通、天然素材のリードは、使用頻度が重なるにつれて それなりに劣化してゆき、反応が鈍くなってゆきます。私の場合は、一週間から二週間で使用に耐えれなくなりますので、交換します。つまり、リード楽器のリード は消耗品の代名詞みたいなものです。人工のリードは、使用頻度にもよりますが半年は、大丈夫だといわれています。生のリードとファイバーのリードは、若干の 吹きごこちの違いがありますが、音色的にはほとんど聞き分けることは難しいと思います。最初から、ファイバーのリードでも生のリードでも馴染んでしまえば、 問題ないと思います。ただ、今日は生リードで明日はファイバーというような使い方は、上手くなるためにはあまりお勧めできません。

○リードの硬さ(柔らかさ)○

硬さの目安
リードの硬さの目安は、数字、英語で表されている場合がほとんどです。数字は大きいものほど硬く、小さいものほど柔らかいという具合です。英語の 場合は、「Soft」「Medium Soft」「Medium」「Medium hard」「Hard」などとなっている場合がほとんどです。初心者で-Around 60-の方は、柔らかめ のリードをお使いになることをお勧めします。

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