Sax(サックス) お役立

Jazz saxophone 吹きの散歩道

〇忘れて、憶えよう

ある程度経験を積まれてきたかた向けの内容です。また、必ずしもこの文章をお読みになっていただいているあなたに当てはまるとは限りません のであしからずです。 このコード進行でこのフレーズを憶えてしまおうとして一生懸命、何回も練習したのに実際の現場で使えないなどという不都合に遭遇し続けてき た経験から次のように考えるようになってきました。まずは、

◇第一に憶えようとはしない

憶えたものは、忘れてしまいます。ここで憶えたものといっているのは、試験前の一夜漬けで憶えたものに近いです。試験が終わってしばらくすると消えてしまうような タイプのものの事です。 このようなタイプの憶え方は、凄く偉そうな言い方で誠に恐縮ですが「創造しようとする意志」に繋がってゆく憶え方とは少し違っているようにも思います。 つまり、「どうだい、1分で憶える事が出来るんだ!!」とか「♩=300で、このフレーズを吹けるんだ!!」というような能力は凄いものですが、これからお話する事にはあまり 深くかかわっていないのかもしれません。そのあたりをお含みおきください。

「憶えようとして練習」するのと、言い方は的確でないのかもしれませんが「深く味わいながら練習」するのとは、どうも違うように思います。ご自身が気に入っている ラインやメロディーを「何ときもちいいんやろー」などと一人悦に浸って味わいながら練習したものは体のどこかに栄養になってしみ込んでゆくように思いますが、一夜漬け的 な練習は分解されず、そして吸収されにくいようです。ググットくるものが多い程、あなたの身体の栄養として吸収し細胞の一部に融合される割合が多くなるのではと思います。 言い方がおおげさかもしれませんが、私自身にとって身につけたいものは細胞レベルで浸透してほしいと考えておりますので、ついついこのようなご説明になってしまっています。

このような視点から「一般的なジャズ風のアドリブをする」ということを考えてみますと、即興演奏を始めようとする時の頭の中の段取りを少し変えないといけなくなってしまいました。 どんなふうに変えないといけないかと言うと、楽曲のキーとコード進行、テンポとリズムをキャッチしていると言うことを共通土台とし、その上に立って、

むむ・・、こんな風にするとおそらくアドリブについて勉強し始めた方やそれに近い方には、「何にも吹かれへんやんか!」と言われてしまうと思いますが、まことに恐縮ですが このまま続けさせて頂きます。こんな風に考え始めると、まずば「即興演奏を始めようとする時、頭の中の段取りを少し変えないといけないな。」と思えるようになってきました。 ただし、いきなりこんな風にしてしまうと何も吹けなくなってしまいますので、上記内容を100%振り切らせているわけではありません。ハッキリ言って僕には無理でした。

〇それぞれの説明

□出来るだけ予定事項を作らない。

例えば、「四小節目のコード進行に練習してきたあのフレーズを使おう」というような音楽空間の外側に自分自身を置かないようにしたいものだという方向で 邁進しようとするやり方です。ご自身が使える全ての元素材を使ってその場しのぎをするやり方です。アドリブを究極のその場しのぎだと無理やり考えると、私として は、実に楽しく思えてしまうのです。他の言い方ですと出来ることはすべてやったうえでの「成り行き任せ」、「Let it be」など言えるかもしれません。

□出来ている塊のフレーズを吹こうと考えない。

子供の頃に今で言う「rego」のような小さな部品組み立て何かを作りあげる、例えば、車や電車や、ゴジラなど具体的なものを作りあげるおもちゃがありました。 このおもちゃの名前を失念してしまっていますが、現在においては「レゴ」です。部品を組み立てて具体的な形を作り上げます。まず、何を目標にして作ってゆく のかを考えてその目標とするもののイメージに向かって、部品を組合せ試行錯誤しながら作ってゆきます。また、違うやり方もあるかもしれません。目標のイメージ がなく部品を組み合わせてゆく過程、何かのイメージが湧いてくるということもあると思います。物事を原子レベルでみてみると大概同じもので出来ていて、組合せ が違っているだけかとも思います。量子物理学の世界になると私にはさっぱり分からませんが、得体の知れない不思議なところはここで書かせていただいている、 そして私が実感してきている音楽の世界とぼやーとですが「・・・・」を感じます。わかったような偉そうな事を書いていますが、要は前もって「形ほ演奏しようとしない」 と思う事も大切ですという事です。演奏前、ここでばアドリブ(即興演奏)の前に「無」になることが、私には、今だ難しいです。

□バンドサウンドにどっぷり浸かってしまおう。

どなたかと一緒に演奏する場合、自分一人ではありませんので演奏者の方々との会話やご意見を聞きつつも全体のバランスを考え、 あるいわ感じながら演奏しする事で楽しむことが出来ます。そうでないならば、一緒に演奏する楽しみの半分がなくなってしまうかもしれません。 バンドの一員として演奏しているのですから、当然と言えば当然ですが、ある程度余裕がないと上記のような事を実践することは難しいとも思 います。自分自身に自信がなく余裕がない場合は、もし許されるなら、まずはバンドの演奏じっくり理屈抜きに聞かせてもらいましょう。好き嫌い 関係なく浸ってみる事です。再び私の場合で恐縮ですが、何をしたら良いのか分からないときは、2コーラスぐらいただ聞いているだけの場合が 出てきてしまいます。実際の現場においてはバンドの他のメンバーは2コーラスの間、私が虚空をみつめてポカンとしているのを目の当たりにして 「また、やってるわ・・・・、ええ加減にせんかい!!」と思っていると思いますが。とりあえず、何か湧いてくるまで待つというのも良いかもしれません。

□理解することと憶える事は違う。

憶えたものは忘れますが、構築するためのノウハウを知っていれば再生、あるいわ新たに別のものを作ることが出来ます。 定理はある程度憶えておく必要があると思いますが、その定理を証明する方法を知っておくことも大事です。


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