Sax(サックス) お役立

Jazz saxophone 吹きの散歩道

●アンブシャーって?

ストローを吹くように

サックスを演奏する上での口と口周辺の状態を説明したいと思います。マウスピースを口にくわえて息を吹き込みますが、息を十分に吹き込むには マウスピースとくわえている口の唇との隙間を作らないようにします。人間の唇は柔軟にできているのでマウスピースの形状にフィットさせることができます。 まったくサックスなどの吹奏楽器を演奏した経験のない方に「息を吹き込んでください」と促すとおそらく90%以上の方が唇でマウスピースを上手に包み、 息が漏れないように吹き込まれます。この場合、ほとんどの場合、上顎の歯も下顎の歯もマウスピースに直接には当たっていません。むむ・・・この状態 を基本だと考えます。マウスピースは、ストローよりもずっと太いのですが、ストローで飲み物を吸い上げる(吹き込む)ときの口の状態に似ているので、 「ストローを吹くようにマウスピースを口にふくんでください」という言い方で、指導し始めます。

アゴ

上記の状態(ダブルリップ)でもって音を鳴らすこともできますが、安定して音を出し続けることが難しいので通常は上顎の歯をマウスピースに固定し、 下顎の歯とリードの間に下唇を挟み込みながら唇と唇の周辺の筋肉でもって一定の圧力を与えることで全体を安定させます。とにもかくにも音を 鳴らすために最低限必要な物理的要素は、「息のスピードのコントロール」と「リードとマウスピースの間隔のコントロール」 と言うことになると思います。「息のスピードのコントロール」については、もとから備わっているものですから説明の必要もないと思いますので、「リードとマウスピースの間隔 のコントロール」について説明します。間隔とはもう少し正確に言うと「リードの先端(薄い側)とマウスピースの先端(薄い側)」の隙間のことを言っています。 途中の細かい要素を省いて結論から先に言いますとこの間隔が広すぎても狭すぎてもよくなくて最適なポジションが色々な条件に左右されるものの、確かに存在して います。最適なポジションを見つけれれば、演奏するにあたってその場所を維持し続ければいいことになります。ただし、ここでは先にも書きましたがいろいろな条件 に左右されるもののという事をはしょっております。

最適ポジションと維持

上記の最適なポジションを見つける事ができれば、その状態を維持すればいいことになりますが、いやはやこれがナカナカ一筋縄ではゆきません。まずは、楽器 がよく響いている状態の実体験や感覚がどういうものであるかを知る必要があります。どのような状態、感覚、イメージが良い音が響いている自分なのか。 管楽器を演奏される方はご存知のことと思いますがご自身が楽器を演奏されているときに自分自身に聞こえる自分自身が奏でている音と周りの方が 聞こえる音とは良くも悪くも違いがあります。もっと詳しく説明したいのですが音の音質や響きなどの抽象的感覚的な概念を言葉で言い表すことほど 難しいことはないので、わたしには無理だと思いますので鼻っから止めておきます。要は、ご自身が「このリードは、良くない。別のを使おう。」と思っているやさきに 「今日は、いい音しているね!』などと正反対のことを言われることもあります。まずは、何が良いのかを知ることが大事かと思います。その上で、そのポジション(域) というかポイント(点)を維持するようにすれば良いのだ思います。ポイントという言葉を使わせていただいたのは、マウスピースやリード、そして吹き方によっては その最適な座標空間がもの凄く狭い場合もあるからです。それらの詳しい説明を棚上げしておいて、では、そのポイントを維持するためにはどうすればいいのか。

ポイントは動くけど・・

最適なポイントは、音域・音程によって動きます。もっとみなさんが分からなくなる事を言いますと、あなたの体調やリードのコンディションによっても変化します。 したがっていわゆる「動くゴールポスト」です。この場合のゴールポストは、なかなか奥深く追求しがいのあるものですが゛、これもはしょておきます。良く響くポイント をある程度知ることができれば、そのエリアから離脱しないようにすれば、良い感覚を維持できます。良い感覚を得られるエリアを維持するために、下アゴと 下唇の連動と息のスピードとの兼ね合い、それに喉の開き閉まり具合(形状)がかかわってきます。さらにマウスピースの特性やリードの選択、あなた自身の口内 の様子がオーバーラップしてくると思います。・・・こんな風に書いてくるとなおさら混乱してきそうなのでやめた方がいいかもしれません。

多分、結論となんちゃってダブルリップ

アゴの微妙な締め具合や緩め具合と下唇の連動した練習と、喉の具合を調整するための練習、下唇とリードの当て具合を調整する 練習、息のスピードなどを継続してやり続けて、最適なポイントを見つけてください。私の場合、音色や強弱、音域によってはダブル・リップになっちゃってます。 というのも最近になって上顎の歯がマウスピースに当たっていないということを自覚したからです。ダブルリップになっていることに気づかなかったというのが正直なところです。実は、演奏中に上顎の 歯がマウスピースの先端から外れて落ちてしまう事が多々あり、落ちないようにしようとしていて、そのうち外れたまんま吹奏できることに慣れてしまいました。 勝手気ままにダブルリップになっていたようです。「アゴのストレッチ練習」を継続していて、ダブルリップの状態をキープ出来るようになったと言えるかも しれません。なんちゃってダブルリップです。


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