腹式呼吸
管楽器を演奏される方々とお話ししていますといくつか、良く聞かれる言葉がでてきます。「アンブシャー」 、「腹式呼吸」・・・等々です。その中でもここでは「腹式呼吸」についての感想をお書きしています。
楽器の先生に「腹式呼吸になっていないよ!」などと指導されたことが一度や二度はおありと思います。 ところがこれが分かりにくい。どうしてかというと普段、特に意識して呼吸の方法を考えて息を取り込んだり、 はきだしたりしているわけではないからです。まず、よくわからない点の最初のものは、
●より多くの空気を取り入れるために腹式呼吸をするのか
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私は、そうではないように思います。多分、なにも考えずに出来るだけ沢山の空気を吸い込んでやろうと思って空気を 取り込んだ方が、意識して「腹式呼吸」で吸い込むよりも、より多くの空気を取り入れることができるように思います。
●腹式呼吸すると胸が前方に上がることなく、微動だにしないか
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私は、そうではないと思います。もちろん動きます。空気は肺に吸い込まれます。腹式という名称から お腹に空気がたまりそうな感じがしますが。空気は下の方から詰まってきて上の方にたまってきます。 上の方にもたまってきたら、胸が動きます。これって空気を取り入れる場所のイメージと順番が 関係しているということでしょうか。腹式呼吸は、まずは、下のから空気を詰めてゆく感じです。
●腹式呼吸すると安定して息を送り込むことができるのか
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私は、そう思います。安定して息を送り込み続けることができます。横隔膜は、肺とその下の 多くの内臓を仕切る壁なのですが、この壁は筋肉でできていて動きます。三木成夫先生 によりますと舌、喉、横隔膜、肛門などは同一の筋肉から分離進化してものでもともと 繫がっているそうです。そういえば、長い音符をブレスなしで演奏する場合など、つまり、意識して たくさんの空気を取り込まないといけないときなどに下の方のホールも締まります。どうも息を吐くときは この横隔膜が山型に上がってゆき、吐くときは山型の山の部分が下がってくるようです。 肋骨を広げて空気を吸い込んでいるのではなくて、横隔膜が押し下がることで結果的に 空気を取り入れているようです。
●腹式呼吸の練習方法
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いろいろな練習方法があります。壁に平衡に体の前面を少しの力で押し当てて、 息を吸い込みます。お腹が膨れてきてお腹を支点にして体が壁から徐々にはなれれば、 結果として腹式になっています。
ストレッチでよくやります伸身の前屈をします。前屈したまま空気を吸い込んでゆくと前屈している せいでお腹のあたりに圧迫を徐々に感じることができます。この感じを通常の呼吸で再現します。
指でささえて壁にちり紙をそえます。このちり紙を支えている指の代わりに口からの空気のストリーム でささえれるようにします。壁のお顔の離れ具合は、技術しだいで変わってきます。まずは、5cmぐらい から始めてみましょう。