難しい音楽理論は抜きにして・・・!

ポピュラー・ジャズ音楽理論講座

演奏をする事を楽しむという事

原点回帰

自身が「演奏する事を楽しむ」ということには、これまで書かれてきたような「分かったような分かっていないような音楽理論」が必要かというと必ずしも必要ではないように は思います。楽器を演奏できれば「楽しむ事」ができますから、「演奏できる」のであれば「理論」など・・・・・。そのことを踏まえて、ジャズ音楽においては、 聞く側の楽しみ方、演奏する側の楽しみ方が、たとえば、歌謡曲、クラシック音楽、Jポップなどの音楽の楽しみ方と少し違っているかもしれないと思うしだいです。ジャズといっても 色々な楽器編成や演奏スタイルのものがありますが、もともとのジャズという音楽は、即興演奏を中心に発展してきているように思います。この即興演奏が骨格になっているとすると、 どうも「アドリブ」というものがジャズ音楽においては大事な要素の一つになっているのだと言えると思います。ある曲の本来のメロディーやハーモニー、リズムを演奏することだけでなく 「即興演奏」というものがくっ付いている場合がえてして多い、というよりも必ずと言っていいほど連れ添っているのですから。そのような意味で、ジャズは作曲された楽曲を即興演奏と呼ばれている やりかたでどのように変奏するのかという事にも大いに興味をそそられる要素を持ったフレキシブルな音楽なのだと思います。そのような意味では、曲の持っている魅力に加え、演奏家の個性 が大いに前面にしゃしゃり出てくる音楽なのだと思いますし、同時に聞いていただく側の個性、つまり視聴者の方の好みが大いに発揮される音楽の一つであると言えます。 なにせ実際の演奏は、ご存じの事と思いますが、テーマが1分足らずで、アドリブの部分が20分などという事もありますから。 また、次のような事も言えると思うのですがなにか楽器を演奏されていて、特にジャズをやっつけてやろうと思われている人は、曲のテーマの練習もさることながら、「いかにカッコイイ-アドリブ-」 を演奏できるかどうかに多くの練習時間を割くことになっちゃっているように思います。すみません、言い過ぎです。そうでない方もいらっしゃいます。また、作曲された、あるいわね編曲された作品や 曲そのものを興味の対象の中心にすえて即興演奏は、その次の要素というふうに思われている方もおられます。私自身がテナーサックス・プレイヤーでもあり、アレンジャーのはしくれでもありますので、 演奏されている音楽のアレンジ(編曲)に大いに興味をそそられながら、音楽生活を営んできました。わたしは、クラシック音楽のことはよくは分かっていないと思いますが、クラシック・ファンは、 どちらかというと、作曲家が生み出した作品そのものを楽しむ方法をご存じで、一方、指揮者の個性による表現方法の違いを楽しんだりされたりもします。楽しみ方は、ジャンルなどに関係なく、 多いほどいいのではないでしょうか。またまた、本題からズレてきたように思います。いろいろ書きましたが、音楽する事を楽しむという事は、クラシック、ロック、ポップス、ジャズ、演歌、童謡、 邦楽などのジャンルに関わることなく、まさに音を奏でる事、聞くことをそのまんま楽しめばいいように思います。この理論講座は、まさしく「ウンチク」まみれです。そのあたりをご理解いただいて この理論講座もお楽しみください。楽しむということに難しい理屈などまったく必要ありません。先行き不安になったり、何が何だか分からなくなったら、ただただ「原点に帰る」だけです。

つづく・・・。