テンションの存在感は如何に。

ポピュラー・ジャズ音楽理論講座

テンションの存在感-2

音程

協和音程と不協和音程
●協和音程

この言葉どうり協和する音程のことですが、具体的には、長三度、短三度、長六度、短六度、完全一度、完全八度、完全四度、完全五度の事を言います。 それぞれ二つの音程の協和の度合いがどれぐらいのものなのか数値が表すことができるのかも知れませんが(例えば振動数比などを使って)、ここでは 十把一絡げ的にすべてを「協和音程」という枠に入れてしまいす。「協和音程」は、「よくハモル」とか「きれいにハモル」などとともに、「淡白」 とか「飾り気なしの」などの表現の仕方もあります。言葉のニュアンスの違いによって間違った先入観を持ってしまうことが多々ありますので、必要ない とは思いますが一応説明をさせていただきますと、例えば「道徳」と「不道徳」のように「協和」と「不協和」が良いもの悪いものとして対立しているの ではありませんので、誤解のないようにお願いいたします。上記の「長三度、短三度、長六度、短六度、完全一度、完全八度、完全四度、完全五度」を協和音程といい[その他}を不協和音程という名称で区分けしている ということです。どちらかが正当でどちらかが排他的に不当なわけではありません。

●不協和音程

上記の協和音程以外の音程のことですが具体的には、長二度、短二度、長七度、短七度、増四度、減五度の事を言います。一般的に「ハモらない」音程とい うことになります。聞く人によっては「気持ちよく聞こえる」という印象を持つこともあると思いますが、ここでは協和音程との対比ということで一般的な 聞こえ方をで判断しましょう。具体的に「C音」とそのすぐ隣の「D」音は、ここで言うところの「長二度」ですが実際に演奏してみると確かに「ブツカッテイル」 という感じが良くわかると思います。私個人の感じ方で恐縮ですが、この音程は磁石のN極-S極で言うと同極どうして反発しあっているという感じがします。 二つの音は、どちらかに吸収されて同じ音になりたいのですが、または、離れて協和的な音程になりたいのですが、そのようにはならずにいます。溶け合わない感じ です。人によっていろいろな感じ方や表現の仕方があり、あなたはあなたの感じ方を見つけてください。是非、実際に演奏してみてください。普段から楽器や歌に慣れ 親しんでいる方は、なんとなくでも経験でもって理解が及ぶと思いますが、そうでない方は、是非、楽器か声で実験してみてください。

●テンションは、コード・トーンと不協和音程を作る。

Cメジャー・キーのCM7の場合を考えてみると、コード・トーンは「C,E,G,B」ですね。このコードにとってのテンションは「9th,#11th,13th」なんです。 どうして「Cメジャー・キー」のCM7のテンションが「9th,#11th,13th」なのかという事は 一時預かりに預けておいて、これらテンションがコード・トーンと不協和音程を作ることに注目しましょう。「9th」はすでに 説明したように思いますので、「13th」についてかんがえてみましょう。CM7というコードの13thとは、ルートから数えて13番目 の「A音」ということになります。という事は、CM7の5thの「G音」と長二度の不協和音程をつくることになります。また、CM7の 「7th」の音である「B音」とも長二度の不協和音程を作ることになります。

「#11」は、どうでしょうか。CM7の「#11th」は、「F#音」です。さてさて、今度はCM7の「5th」の「G音」と短二度、CM7の「3rd」の「E音」 と長二度の不協和音程を作ります。どうでしょうか、テンションは、常にコード・トーンと不協和な音程を作っていますし、それも一つのテンション でもって二つの不協和音程を作り出します。実際にコードをピアノや管楽器などを使って演奏してみるときの事を考えてみると、CM7コードでコード・トーン と使用可能なテンションを全部同時に鳴らしてしまうと、「C,D,E,F#,G,A.B」の各音が奏でられることになります。これらの音をオクターブ内で配置すると 、ピアノの鍵盤で言えば手のひらで10cmほど押し込む感じで弾いてしまえます。これはこれで、固有の響き方がしますが音の選択や積み方によっていろいろな 響き方があるだろう事は推測できます。そして、そのような事の基礎を説明しているものがジャズ理論とかポピュラ音楽理論とか呼ばれているものの中にあり ます。

●優先すべきもの

さてさて、テンションの意味(そんなものがあるとすれば)は「不協和音程にあり」といってもよさそうです。 何か音楽的な音の立体的な重なりを作るときに、優先すべきものとはなんでしょうか。今から説明しようとしていることを 知っていても、アドリブが上手く出来るようになるわけでも、アレンジがすぐにカッコヨクできるようになるわけでもありませんので、 必要ないと思われる方は、ほんとうに必要ありません。コードを表現するのには、一般的にはピアノ、ギターなどでコード・ネーム に対応した押さえ方をします。ギターならタブ譜などでコードの響きを確かめることができます。しかしながら、ピアノはギターに比べると 音の選び方により高い自由度があります。複数の指を使って音の組み合わせを作ることができます。また、管楽器を使ってコードを奏でると なるともっと自由度があがります。ピアノは手の大きさや指の長さに影響されるでしょうが、管楽器を使うとなると各人が独立した個人ですから、 それこそこの理論講座の最初の方で登場したスター・トレック的に言わせてもらえば、「宇宙を駆け回る指」というような表現になる でしょうか。ちょっと大げさですがほとんどどんな音の配置にも対応できるということです。それでもって、ここでは最初から管楽器を使うという 前提でお話したいと思います。楽器の編成はとりあえずは考えないでおきましょう。10人で一音づつピアノの鍵盤を押さえる感じです。むむ・・・・・想像するに なにかのゲームみたいに窮屈すぎるかな・・。

さて、突然ですが、何人でこの和音を奏でることにしましょう。つまり、何声で奏でましょう。ここで、ボイシングのお話をしないといけません。最初に書き出したときの目的地が どんどん遠くなる、・・いつもの事か! すみません。あるコードに対して音をどのように積むのか、そしてここでは管楽器を使おうとしていますからどの楽器をどの声部 にあてがうのか、ということを考える必要がでてきます。それにしても考えないといけないことが多すぎるなぁ・・。こんなに長く書き続けても、というか書いてしまったら だれも読まないですよね。ここまで読んでいただいているあなたは、・・・素晴らしい!!・・・。先ほど言ったように「考えないといけないことが多すぎる」と整理 できないので、一つ一つやっつけて行きましょう。まずは、コードを表現するにあたって優先すべきものは、何でしょうか。これは、あなたにとってということではなく、その言葉 通り「CM7」が「CM7」として物理的に聞こえるようにという意味でです。みなさんもご存知のようにコードを決定しているのは、そのコードのルートと3rdと7th(四和音)です。それで もって実際のバンドでの演奏においては、ルートは,ベースの方が演奏しているものとして考えてもいいので残る3rdと7thを管楽器で鳴らしておけば「CM7」は、確定できると考えても よさそうです。

●二つの音で大丈夫。

ベースの方がおられてルートを演奏してくれているというのが前提条件ですが、それって普通です。とりあえずコードの機能的なものを表現するには これで十分だと思います。音の配置の仕方については選択の余地がたくさん残されていますが、調理前の素材は魚なのか牛なのかキャベツなのかははっきりと 知ることができます。各音がギクシャクしないようにつないでゆくとこんな感じになると思います。こおゆうのを「ガイドトーン・ライン」という言葉で教えて いただいたような記憶があります。バークリー音楽大学の「アレンジング-2」というクラスだったと思います。それから「コマーシャル・アレンジング・フォア・ ラージアンサンブル」というクラスでも教えていただきました。ラスベガスのショーのビッグ・バンド・アレンジを手がけてきた方でお名前を失念してしまいました。 その当時(30年以上前)のバークリーは、自身のアレンジをすぐにバンドで音出しして確認できるというアレンジを勉強する学生にとっては天国のような学校でした。 現役のアレンジャーが教壇に立たれていて実践的な技術を沢山教えていただきました。ただ、現在と当時を較べて圧倒的に違うことを一つだけ言わせていただくと、 「時間の有効消費率」です。こんな言葉は誰もおっしゃっておりませんし、使っておりませんのでこの部分は読み飛ばしたほうがいいと思います。(それなら書くなよ!!) 渾身の創造力でもって作成したスコアを実際の音にするには、この作成してスコア(総譜)をよってかかって各プレイヤーに演奏してもらわねばなりません。そのために「スコア からパート譜に分ける」という作業が必要になります。このスコアをパート譜に分けるということで生計をたてている方も多くおられたと思います。このことを「写譜」 といいます。出来上がったスコアを徹夜して写譜して翌朝に音だしなどということになると結構大変でペンだこの成長と自身の力の成長との間に相関関係があることを 発見しました。

私たちの時代は、手書きが「当たり前だのクラッカー」でした。これは、古いーいギャグですが、知らない方には大変失礼しました。つまり、手書きが 普通に当たり前だったのです。ビッグ・バンドになるとまずはスコアを書いてから、パート譜に分けてそして演奏してもらうという作業を繰り返すことで、学生たちは 有益な経験を積んでゆきます。実は、アレンジを勉強しようとしている人にとって最も大事で有益な作業の一つが、この書いて分けて音を出すというトレーニングです。 手書きの譜面には、譜面を書いている人の思いが注ぎ込まれるという怪奇現象が起こりえます。特にアコアを書いたアレンジャー自身がパート譜に分けるという作業を することになるとこの現象は確実に発生します。「フォルテ」の部分は力強く、しかも音符が大きく勢いがあったり、ピアノの部分は、音符かず小さくなったり、渾身 のアレンジャー・コーラスは、力強く。エネルギッシュになったりします。そして、それが各パートを演奏するプレイヤーに伝わってしまうという怪奇現象がおこるの です。素人が書く手書きの譜面は一種、絵画的に個性のある図柄として見ることもできます。

  • あ、明日締め切りのが一曲あるのを思い出しました。でわでは。 ・・・続く・・・