一番大切に思っている事は、生涯を通じて音楽を楽しめるようになっていただく事です。 そのために必要な事を出来るだけ早い時期に学んで欲しいと思っています。長いスパン で考えると、言い尽くされた言い回しですが「基本が大事」です。-Sax-を学ぶ期間が長 ければ長いほど、この「基本」がなおさら重要になります。つまり、「基本」が出来てい れば長く続ければ続けるほど上手になってゆきます。「基本」が出来ていると言うよりは、 「基本」を知っていると言い換えたほうがいいかもしれません。なぜなら、私はほぼ40年間 サックスを演奏し続けてきていますが、練習を開始するときはいつも「基本チェック」から 始めることで「練習スイッチ」をオンにすることが出来きています。(自身の事を「永遠の初心者」と 言っている理由の一つです。)

「基本」とは技術的なことに限らず、ウォーミング・アップの方法、練習の方法、それぞれ の練習の目的意識、右脳的なアプローチなど意識の事柄も含んでいます。例えば、楽器を 練習している場合、演奏している自分自身とは別に練習している自分自身を評価するもう一人 の自分が必要になってきます。つまり、いい音を奏でているのか、滑らかに演奏出来て いるのかいないのか、演奏姿勢はどうなっているのか、複式呼吸はできているか、メトロノーム にフィットしているかどうか、などを冷静に判断して評価するもう一人の自分です。 レッスンをしている場合は、先生が判断し修正してくれますが大概の場合、練習されるときは お一人ですから先生のアドバイスはありません。言いかえれば、初心者の方がレッスンを受け るという事はこのもう一人の自分を育てることに他なりません。そして、それはそんなに難し いことではないと思っています。

進歩の度合いやスピードには個人差があって到達速度が早いから良いというものでもありません。 自分のペースを見つけて、ゆっくり確実に歩んで行くのが上手くなる秘訣です。自分のペースで 試行錯誤を繰り返しながら、上手になってゆくと自身の楽器演奏上の技術などをより良く理解できるよ うになると思います。あまりに簡単に出来てしまうと、なかなか出来なくて戸惑っているうちに発見 することのできる「大事なもの」をもったいなくもやり過ごすことになってしまいます。「出来ないこと」 イコール「まだまだ上手くなれる!」ということだと思いましょう。